2018年2月7日水曜日

万次郎かぼちゃとは ⑤

万次郎かぼちゃ誕生

さて、新土佐、鉄兜は雑種強勢によって生まれたわけですが、やはり西洋かぼちゃの美味しさにはかないませんでした。
昭和40年以降、食文化の洋風化に伴い、日本かぼちゃは粘質で水っぽく、あっさりとした甘味が受け入れられず、また農業政策で産地が特化して、一つの作物を作るようになったことで急速に廃れていきました。

かぼちゃの育種業界では、モスカータ種とマキシマ種の雑種は、皮も硬いし美味しくないという定説が生まれ、各社もっと粉質のもっと甘い西洋かぼちゃの制作に力を入れていきます。
そんな中、情熱をもって雑種強勢の可能性を信じて育種を続けた方が、万次郎かぼちゃの産みの親、(株)片山育種場の片山邦冨氏です。
氏をネットで検索すると、寒蘭の登録などが目につきます。こちらの記事でも盗難にあったとありますが大きく商売をしていたようです。
氏は、種間雑種のキング土佐やキング土佐っ子などきゅうりの台木用かぼちゃを数多く生み出していますが、本当は西洋かぼちゃよりも美味しく西日本でも栽培可能な品種作りに傾倒していました。
仕事で台湾や韓国、中国や東南アジア諸国を訪れる度に、現地のかぼちゃの種を持ち帰って育種を続けたようです。
しん太郎、土佐っ子、ホテイといった新品種を次々作出しますが思うようには売れません。
そして平成2年、1990年4月3日に品種登録をされたのが万次郎かぼちゃとなります。

旬の野菜百科

上記リンクにもありますが、k号デリシャスという西洋かぼちゃ(マキシマ種)と北回帰地という日本かぼちゃ(モスカータ種)の掛け合わせが万次郎かぼちゃとなります。

つづく

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