かぼちゃの原種について
日本で栽培されているかぼちゃは西洋かぼちゃ(マキシマ種)、日本かぼちゃ(モスカータ種)、ペポかぼちゃ(ペポ種)という3種類ということはこれまでに述べてきました。
市販されているかぼちゃは基本的には交配種で、一代交配(F1)といわれます。
交配するための親のことを原種といいますが、育種家は絶対にこれを手放したりはしません。
それが手に入れば誰でも美味しいものを作り出せるからです。
種農家について
多くの種苗屋さんは海外で育種をしています。これは種の持ち出しというリスクを減らすことが一番の理由とされています。
そんな育種の昔話をひとつ
戦後間もない頃の話になりますが、高知県の薊野という地区でかぼちゃの育種をしていた小倉やすおさんという人がいました。
この方は、恐らく世界ではじめてマキシマ種とモスカータ種の掛け合わせを成功された方で、宮崎県の日向かぼちゃ(モスカータ種)と独自で開発した小倉デリシャス(マキシマ種)を掛け合わせて新土佐というかぼちゃを作り出しました。
これは大変樹勢が強く、多果という事で県の農業試験場関係者が目をつけました。
当然原種を渡すことはないわけですが、「なぜか」鉄兜という名前で高知県の農業試験場が登録をしてしまいます。
食糧難の時代、バレーボールからバスケットボールぐらいのかぼちゃが山程なり、しかも貯蔵性が抜群ということで瞬く間に全国に普及していきます。
こちらのサイトにも当時の記載がされていますが、土手や畑の一画に鉄兜は植えられていたようです。
ネットを調べても、小倉さんの功績はどこにも記載されていません。ですが、新土佐は今でもきゅうりなどの台木として栽培されています。
登録は新土佐採種組合となっています。
つづく
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