種間雑種と雑種強勢について
前回、新土佐についてご説明しましたが、今回はなぜ樹勢が強く強健なかぼちゃができたかをご説明します。
遺伝というとメンデルのエンドウ豆が有名ですが、優性と劣性という考え方があります。
ただこれはあくまで同じ種の間で成り立つ話であって、そもそもエンドウ豆がたまたま分かりやすかった。ある種、運が良かったからこそ成り立った法則といえるかもしれません。
種が違うもの同士で交配をする。遠縁のものでは不可能ですが近縁のものはよく交配します。皆さんはライガーやレオポンといった言葉を聞くと忌避感を覚えるかも知れませんが、実は植物ではよくあることです。
小麦の雑草であるライ麦と小麦の交配でライ小麦。アブラナ科のハクサイ、キャベツ、カブ、ダイコン。トウモロコシなども有名です。
これら種間での雑種は時おり、両親の持つ体質を越えた優れた能力を持って生まれることがあります。耐病性や耐暑性、耐湿性ときには収量性。これを雑種強勢といいます。
新土佐や鉄兜も同様の雑種強勢を利用した作物であり、きゅうりなど他の瓜科との親和性が高く耐病性に優れていたため、台木として現在も使われています。
ちなみにきゅうりの台木としてのかぼちゃの利用ですが、以前はブルームレスの台木が多く出回り、ピカピカのきゅうりでないと売れない!とされていましたが、皮が硬く、美味しくないと消費者の方でも認知され始めています。
また、新土佐等の多くのブルームがでる品種は耐病性に優れるため、農家にも収益性が高いと見直されてきています。
つづく
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